おはようございます。
今回は、「財政再建」の話を中心にお伝えします。
政府の発行する国債には、「建設国債」と「赤字国債」があります。前者は、公共事業などの費用に充てるものですが、後者は、歳出の穴埋めをするもので、財政法により原則は発行できないもので、発行するには、特別の立法措置が必要になります。この赤字国債が発行されたのは、三木武夫政権の時でした。
この「政府の債務」を望ましくないものとし、福田赳夫政権を挟んで、財政再建の必要性を初めて打ち出したのは、大平正芳政権でした。いわゆる「一般消費税」構想を打ち出しましたが、総選挙の半ば公約に掲げたもののブレがあり、選挙で敗北し、頓挫(とんざ)しました。その後、自民党内での抗争が続いたのですが、次の鈴木善幸政権は、いわゆる「第2次臨時行政調査会」(会長:土光敏夫経団連会長)を設置し、「増税無き財政再建」を標榜(ひょうぼう)し、行政改革に取り組みました。そこで打ち出した諸施策は、次の中曽根康弘政権で、いわゆる国鉄や3公社の改革など、実現化に動いたのですが、同政権は突如「売上税」構想を打ち出します。これは、同政権が先に打ち出した選挙公約に反するということで、野党からの猛反発をくらい、これも実現できませんでした。その次の竹下登政権の時に、今度は「消費税」ということで、政界内における根回しをし、同構想は実現し、取りあえずは、現在の消費税(税率3%)が導入されたわけです。その後、宇野宗佑政権、宮沢喜一政権を経て、細川護熙政権の時に、消費税の増税構想を突然、打ち出しましたが、根回しも不十分な状況で、頓挫しました。
消費税の導入の時は、「間接税」との説明でした。いわゆる「直接税」と「間接税」の比率の見直しとして、前者を減らす代わりに、後者を引上げる、というのが唱(うた)い文句でした。いわゆる「直間比率の見直し」です。消費税は、景気に左右されることのない「安定財源」として、重宝(ちょうほう)されるようになりました。
この消費税が間接税であるという説明には、有力な反論もあります。実は、大蔵省(現、財務省)も半ば認めているらしいのですが、いわば「第2法人税」ではないかとの指摘です。つまり「間接税」では」なく「直接税」であるというものです。そして、消費税の性格には、「消費に対する罰金」のような意味合いもある。消費税の導入や引上げ前には、「駆け込み需要」があるものの、引上げられた後には、がくんと消費が落ちて、経済の低迷に拍車(はくしゃ)をかけます。消費税を引上げる度に、経済成長率が落ちるのは事実のようです。
確かに、政府が消費税を導入した時期は、まだ、日本経済も絶好調の時でした。できるだけ「政府の債務」である国債に頼らないで、財政運営をしていこうとの、方向もあながち否定するものではありません。それはそうなのですが、その後の経済状況の推移の下で、この消費税の度(たび)重なる引き上げが、経済成長の「足かせ」になってきている面が強くなってきています。消費税を引上げる際には、社会保障費の財源に充てるとの説明が通常なのですが、実は、国債の償還(しょうかん)に充てている、との指摘もあります。「政府の赤字」が減る分、「国民の黒字」も減ることになるということです。「バランスシート論」から見た考え方です。
消費税に似た税については、欧州の国などでも「付加価値税」などがあります。ただ、こちらの場合は、日本の実情と違うのは、景気の動向次第で、その増税や減税を柔軟に運用している点です。経済低迷期には、付加価値税を減税しています。一方、日本は、消費税を、経済、景気の動向にかかわらず、引上げること考えているうな感じがあります。これは、言い過ぎではないでしょう。
前回に引き続いての、「財政再建」の動向についての説明になりましたが、次回は、日本の経済界の「経営」についての話に移らさせていただきます。
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