おはようございます。
今回は、新時代における「労働観」について、言及します。
新時代と言いましても、結論から言えば、日本人は日本人の伝統的な価値観に、立ち戻ろうということが主体の話しになります。
日本では、西洋と違って、労働が「桃源郷(とうげんきょう)の価値観だったと、前回のブログで申し上げました。とある有名な絵画を見ても、そこに描かれている登場人物は、皆、楽しげに労働している様子が描かれています。
近江商人の「三方良(さんぽうよ)し」の家訓、即ち、「売り手良し、買い手良し、世間良し」がありますが、これは、現代風に言えば、会社のステークホルダーとは誰かの話になります。
会社は、誰のものかについては、現代の経済学、経営学の理論では、「株主」になります。しかし、日本においては、古来から、経営陣、従業員、顧客、社会の、あらゆるものを重視してきました。特に、従業員を大事にしてきたのです。
経営とは、現代の経営の神様、稲盛和夫氏の言を借りれば、「役割」です。元祖、経営の神様、松下幸之助氏の言を借りれば、「社員稼業(しゃいんかぎょう)」という事が言えます。会社には、社長も居れば、社員もいます。それは、「たまたま」そういう役回りが回(まわ)ってきているのです。会社員や組織で仕事をしている人にとっては、「出世」も大事でしょう。しかし、それが、全(すべ)てではありません。社員一人一人が、現時点で付与されている役割を果たすこと、そして、社員一人一人が、その立場、立場で、「経営者」であるとの「感覚」をもって仕事をすることが、大事なのです。
そう言った、労働者の意識、感覚に、立ち戻らなければ、なりません。
林学者の本多静六氏のいう、「職業の道楽化」も大切なことです。仕事をすることを、生計の資とすることは、当然のことですが、それだけでは、つまりません。仕事をすることを、義務としてではなく、それ自体を「楽しむ」域にならなければいけません。通常、生活時間の大半を占める労働時間の価値を決めるのも、そういう「意識」の問題なのです。「嫌々(いやいや)」仕事をするのと、「楽しみながら」仕事をするのと、どちらが生産性があるかというと、自ずから明らかでしょう。
そして、実業家の渋沢栄一氏の言にある、「論語と算盤(そろばん)」ということもあります。「経済」と「道徳」の調和を図ることです。仕事が、単なる「金儲(かねもう)け」の手段になってはいけない。仕事をすることが、「倫理的」でなければいけない。
「仕事」をすることは、日々、大概(たいがい)の人がしていることですが、何遍(なんべん)も申し上げますが、職業に貴賤(きせん)はありません、どんな仕事についていても、その仕事上のことから、何らかの「学び」があります。私は、「陽明学」に学ぶところが多いのですが、前にも紹介させていただいたように、「属官ありて」の一節に心をうたれます。「本」を読むことだけが、「学問」ではない。日々の仕事を通して、「心」を練(ね)る事が大事です。篤農家の二宮尊徳氏の言うとおり、「天地不文(てんちふぶん)の教書」を読むということですね。
などなど、日本や東洋の「労働観」を、再び、再興(さいこう)させたいものです。日本には鉱物資源は少ないですが、日本の資源は、日本人の「勤勉性」だと言われます。これまで、今回のリーズで申し上げてきたように、日本における労働環境は、「働き方改革」で、改善してきています。そう言った中で、単なる「機械の歯車(はぐるま)」でない、人間らしい「労働」が可能になってきています。科学技術の発展が及ぼす影響にも、言及しました。
マルクスは、「万国(ばんこく)の労働者よ団結(だんけつ)せよ」と呼びかけました。それは、当時の「労働搾取(ろうどうさくしゅ)」に対する「革命」の呼びかけでしたが、現代社会においては、「労働者」の「意識」の革命が求められるのです。低迷(ていめい)に沈んでいる、日本経済の再生、復活のためには、労働者の「仕事観」、「職業観」を、再び再興させなければ、話しは進みません。そして、現代社会に即応した、新しい「労働」を産み出していきましょう。誤(あやま)れる「成果主義」を脱して、「正しい」経営、労働をしていきたいものです。それには、経営陣、労働者とも、「意識」の革命が求められているのです。「成果」だけを追い求めるのではなく、『人格」、「社格」の重視ですね。
バーチュー・クリエイティング株式会社
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