現代社会における新「資本論」⑩

query_builder 2024/11/16

おはようございます。

今回で、このシリーズも10回目の節目を迎えますので、まとめをしたいと思います。

今回、新「資本論」と銘打(めいう)って、執筆してきたのは、現在の経済状況が、先行き、不透明な状態にあるからでした。目先の円安株高で、浮かれてはいるのですが、日本の「経済力」は、確実に低下しています。

その遠因(えんいん)はどこにあるのか。日本政府が、経済政策でテコ入れしても、経営層が懸命の経営努力をしても、労働者が、コツコツ、真面目に働いても、いわゆる「失われた30年」の状況は、一向に解消されません。

日本の経済の再生は不可能な、病膏肓(やみこうこう)の状態に入っているのでしょうか。日本社会は、一見、穏やかなように見えますが、実は、治安状況も悪化しています。最近の世間の耳目(じもく)を騒がしている「闇(やみ)バイト」の跋扈(ばっこ)は、目を覆(おお)うばかりですね。

街中では、いわゆるインバウンド消費に浮かれています。各地で多くの外国人旅行者の姿を見かけます。これ自体は、よろしいことなのでしょうが、日本の魅力度は上がっているのでしょうか。不分明(ふぶんめい)なところです。そう言った、旅行客の話ばかりでは無く、外国人は、日本の労働力を支えています。「移民」ではないのですが、「在日外国人」の存在なしには、経済が回っていかない状況です。

一見、まだ、華(はな)やかに見える日本社会ですが、日本人の「人間力」は、確実に低下しています。何が、悪いのか。「教育」が、おかしかったのでしょうか。戦後日本のアイデンティが、ここに来て、いきずまりを見せ始めています。

世間には、いろいろな人がいます。きちんとした「市民生活」を送っている人から、社会に「迷惑」をかける人まで、様々(さまざま)です。

多様性(たようせい)はいいのですが、傍若無人(ぼうじゃくむじん)な振る舞いは、社会的に許容されません。

「犯罪」などは、警察などの司法当局が、取り締まるでしょう。それに至る前の行為については、どうでしょう。日本人は、そもそも、「人様に迷惑をかける」ことを、極力、嫌(いや)がってきた民族性でした。それが、変質してきています。

若い頃の、傍若無人さは、青春期の特性として、理解できる面があります。まだ、社会的にも、精神的にも、いろいろな面で「未熟」な段階です。いつの時代にも、「不良」はいます。ただ、依然の「不良」と、今の「不良」も変質していますね。以前は、「不良」同士で「悪さ」をしていたものです。今は、どうなんでしょうか。

「犯罪」もそうですね、よく、私は。「清規(せいき)」と「陋規(ろうき)」ということを強調するのですが、「犯罪」にも自ずから「ルール」があったものでした。例えば、「盗み」はしても、「殺し」、「傷害」はしない、というようなことです。また、「犯罪」とは性質が異なりますが、「やくざ」さんでも、「やくざ」さん同士で、「しのぎ」をしていたようなことです。

このようなことは、日本社会の構造的な変化によるものでしょう。端的に言えば、「新自由主義」による「構造改革」が、おかしかったのです。グルーバル化のかけ声の下、「世界標準」ということで、日本社会の有り様を、転換させてしまいました。日本人の「集団主義」的性格を、むりくり「個人主義」的性格に変えようとしました。当時の経済状況は、勿論(もちろん)、承知しています。その抜本的解決策のつもりで、日本政府を始めとして、取り組んだのでしょう。それで、良かった面もあるでしょうが、「仇(あだ)」になった面もあります。

ここに来て、「政治」、「経済」、「経営」、「社会」、「文化」などに生じている諸問題を、放置しておいていいというわけではありません。何か、抜本的な解決策があるというわけでもありません。一度、初めて、動いている流れを止めることも、困難です。

そこで、考えるべきは、マルクス流の「暴力革命」ではなくて、日本人の、個々の「意識の革命」なのです。前回も強調しましたが、ルネッサンスではありませんが、古来の「日本精神」、「日本文化」の再興(さいこう)なのです。そして、肝要(かんよう)なことは、それを「現代風」に行うことです。

「一灯照隅、万灯照遍」(いっとうしょうぐう、ばんとうしょうへん)と言います。「一隅を照らすもの、これ国宝」(伝教大師)です。それぞれの日本人、また、在日外国人を含めると日本国民が、それぞれの、家庭、会社、地域社会などの中で、自分を、「ごまめの歯ぎしり」とは思わずに、人知れずとも、努力していくことです。

人間社会、何が起こるか分かりません。終末戦争、天変地異(てんぺんちい)でいつ滅びるかわかりません。それでも、生ある限りは、「市民」から「やくざ」さんに至るまで、それぞれの「道」を全うしていきましょう。

というところで、現代社会における、新「資本論」のシリーズは、締めくくらせていただきます。繰り返しになりますが、「日本精神」、「日本文化」の再興を期して、日々の生活を送っていきましょう。この世で、確実なことは一つだけ、即ち、「人間は、いつか、必ず死ぬ」ことです。「酔っ払って」いるのは、お酒を飲んでいる時だけにしたいものですね。お釈迦(しゃか)様はシャカ族の滅亡を甘受(かんじゅ)しましたが、我々は、どうしたものですかね。そこまで、悟(さと)りきれるものでしょうか。

----------------------------------------------------------------------

バーチュー・クリエイティング株式会社

住所:東京都渋谷区恵比寿1丁目19-19 恵比寿ビジネスタワー10F

電話番号:03-5708-5985

----------------------------------------------------------------------