日本の「国防論」あれこれ(4)

query_builder 2024/03/28

おはようございます。

今回は、「自衛権の行使」について、考えてみたいと思います。

自衛権とは、自国が武力攻撃を受けた際に、実力(武力の行使)をもって反撃する権利をのことを言います。この「武力の行使」をもって、というところが大きなポイントの一つになります。そこで、「武力の行使」でない行為は、自衛権の行使の範囲内ではありません。例えば、資金の提供、基地の提供、情報交換などです。この自衛権については、発動の要件があり。①自国が武力攻撃をうけたたこと、②他に取る手段がないこと、③必要な最小限の範囲内であることと、されています。

国際法上、自衛権には「個別的自衛権」と「集団的自衛権」があります。前者は、自国が攻撃を受けた場合に自国の軍事力を持って反撃する権利を言い、後者は、自国と密接な関係を持つ国家が攻撃を受けた場合に、その国の防衛を支援する権利、です。個別的自衛権については、いわゆる国内法上の「正当防衛」にもなぞられうる権利で、概ね、誰も異論を持つものはありません、集団的自衛権については、その正当性の根拠として、①個別的自衛権の集団的な行使、②他国の防衛、③自国の死活的な国益の防衛、の3つの考え方(学説)があるのですが、現在では、③の説が、通説とされています。

国家がこの個別的自衛権を保有することと、集団的自衛権を保有することとは、国家「固有」の権利とされています。いわゆる、国家の有する「自然権」の一つと言っていいでしょう。歴史的に見ると、前者については、もともと、疑念を持つものはいないでしょうが、後者は、実は、第2次世界大戦後に、国際法上、明確になった権利です。戦後の、国際秩序をどうするかを模索する中で、国家の防衛を図るために必要不可欠なものとして、提起されました。そして、国連憲章に、国家が、個別的自衛権と集団的自衛権を保有することが明記されたのです。

理論上のみならず、国際司法裁判所(ICJ)の判例でも、追認されています。いわゆる「ニカラグア」判決です。そこでは、集団的自衛権は、確立された権利であると見なしています。現在では、学説でも、判例でも、また、歴史的にみても、国家が、国際法上、個別的自衛権とともに、集団的自衛権を持つことを、否定する国家はありません。

繰り返しになりますが、自衛権とは、国家が武力攻撃を受けた時に、武力の行使を持って反撃する権利で、それには、現在は、個別的自衛権と集団的自衛権があることを、覚えていて下さい。この議論をする中で、集団的自衛権と混同されやすい法的概念に「集団安全保障」ということがあります。次回には、この両者の違いについて、説明を進めていきます。

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