日本の「国防論」あれこれ(7)

query_builder 2024/03/31

おはようございます。

今回は、日米同盟の「裏話」のような話をします。

日米安全保障条約に基づく「日米安全保障体制」は、日本の安全保障にとって基軸(きじく)となるものです。大きくは、拡大抑止(かくだいよくし)の考えによる、米国による「核の傘(かさ)」の下で、在日米軍が日本国内に基地施設を提供され、日本有事の際には、日本独自の国防力である自衛隊と、日本の共同防衛に当たります。

しかし、この在日米軍は、日本有事の際の戦力になるためだけに日本に駐留しているわけではありません。極東地域を含む、広くインド太平洋の緊急事態に軍事的対処をするための前線基地になります。

米国の安全保障施策、軍事戦略にとって、日本にある米軍の基地施設は極めて重要なものなのです。直接的な軍事行動のためだけではありません。その後方(こうほう)、兵站(へいたん)のためにも極めて重要なのです。例えば、米軍艦艇は定期的な整備をしなければなりませんが、日本の造船会社による、その整備能力はなくてはならない存在です。日本に所在する在日米軍は、インド太平洋地域の米軍の行動にとって、いわゆる、ハブ・アンド・スポークスのハブの役割を果たす極めて重要な存在で、日本の民間企業を含む、トータルな能力は極めて重要なのです。

在日米軍は、日本の安全保障にとって極めて重要な存在です。よく言われているように、米軍は「矛(ほこ)」、自衛隊は「盾(たて)」の役割を果たします。だからこそ、日本の自衛隊は、「専守防衛」の基本方針の下、もっぱら日本の領土・領空・領海などでの戦いに専念できます。しかし、それは、もっぱら、相手国に対する攻撃を米軍が担当してくれるからのことです。

最近、世界の注目を浴びている「ロシアーウクライナ戦争」を見ても分かることです、ウクライナは、まさに、専守防衛の戦いをしています。これでは、戦線が膠着(こうちゃく)し、現状を維持するのが精一杯(せいいっぱい)でしょう。日本有事の際のことを考えて下さい。米軍の攻撃能力を前提にして、初めて、自衛隊は、専守防衛の戦いに専念できるのです。

日本の自衛隊は、オール・マイティな戦闘能力を持っていません。いわゆる、海外への「パワー・プロジェクション能力(戦力投入能力)」は、陸上自衛隊も殆(ほとん)どありません。また、海上自衛隊の「対機雷戦能力」、「対潜水艦戦能力」、航空自衛隊の「防空能力」は世界でも有数の軍事能力を有していますが、日本及び日本周辺での作戦行動には実力を発揮できますが、それだけでは日本有事に対処できません。米軍と日本の自衛隊の組み合わせをもって初めて、有効な日本の防衛はできるのです。

このように、在日米軍は日本を含む広くインド太平洋地域の米国の軍事戦略の中に存在すること、日本は、その中で、官民を含め「ハブ」の役割を果たす重要な存在であること、米軍と自衛隊の効果的な組み合わせをもって初めて、日本の防衛が成り立つことを、是非、知っていただきたいと思います。以上は、軍事的な「裏話」でしたが、次回は、政治的な「裏話」をしてみたいと思います。

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