日本の「国防論」あれこれ(8)

query_builder 2024/04/01

おはようございます。

今回は、日米同盟の政治的な「裏話」をしたいと思います。

第2次世界大戦後の日本の外交・安全保障政策は「吉田路線」と言われます。吉田茂首相が、確立したものです。サンフランシスコ会議で講和条約を締結すると同時に旧日米安全保障条約も締結したのですが、これに署名したのは、吉田茂首相のみでした。吉田首相は、全責任を自らで負うつもりだったのでしょう。

吉田路線とは何かというと、「経済復興優先。軽軍備」でした。彼は、「戦争で負けても、外交で勝った国はある」と常々述べておりました。当時の廃墟(はいきょ)と化した国を、ともかく再建することを目指し、安全保障は米国に委(ゆだ)ねたのです。

戦後、すぐに冷戦が始まり、朝鮮戦争を経て、警察予備隊をGHQ指令の下、創設したときも、極力、旧軍関係者の関与を退けて、その任を果たしました。警察予備隊は、その後、保安隊を経て、自衛隊になります。しかし、本格的な再軍備には消極的で、できるだけ、軽軍備で行こうとした路線には変わりはありません。ともかく、経済の再建を最優先する路線でした。岸信介政権の下での日米安全保障条約の改正もその枠内の話です。

吉田首相は、政権を退任後は、憲法改正の必要性も認識し、その旨の発言もされていたようですが、吉田政権以後の各政権も、この吉田路線を基本的に踏襲します。特に、いわゆる55年体制発足後の自由民主党は、党是(とうぜ)で、憲法改正を唱(うた)っておりましたが、国会で憲法改正の発議に必要な三分の二の議席数を確保できなかったこともあり、また、当時もそうでしたが、憲法改正を唱(とな)えることもタブー視される政治社会状況が続いていたこともあり、憲法改正を表では表明していても、裏では、憲法改正の困難性を認識し、今日に至っています。

現在の国会の議席状況を見ても、第9条改正はともかくとして、改憲の必要性を唱える政党の議席数は三分の二以上を占めているのですが、国会の現在の憲法審査会を見ても、殆(ほとん)ど改憲の動きは進捗(しんちょく)していません。日本では、戦前の憲法を含めて、憲法は「不磨(ふま)の大典(たいてん)」とも称(しょう)されますが、まさにそのような状況です。今の憲法は、歴史的に明らかですが、一種の「占領基本法」です。当時の連合国による占領下で、GHQの強い意向の下に作られたものです。

私(代表取締役)は、現在の憲法の基本理念を否定するものではありません。特に「人権」編は、かなりよくできていると思います。基本的人権の保障、法の下の平等、各般の「自由」、司法手続きの厳正さ、などなど尤(もっと)もなことです。一方、「統治機構」編はどうでしょうか。種々の、現在の時代にそぐわない点がありますね。「平和主義」についてはどうでしょうか。憲法改正が困難な現在に至る状況の下で「解釈改憲」を繰り返して、日本の国防力の強化に努めてきましたが、前回のブログでも言及しましたが、日本の安全保障は、米国に「丸投げ」状態です。

本当の意味での独立国ではなく、米国の「保護国」です。戦後すぐのような米国の国力が低下し、冷戦期はともかく「西側陣営」の勝利でしたが、今は、「世界の警察官」の役割は果たせないと表明し、日本を含む同盟国に国防負担の増加を強く求めている、現下の状況です。この話、また、次回に繋(つな)げます。

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