日本の「国防論」あれこれ(12)

query_builder 2024/04/06

おはようございます。

このシリーズでは、日本の「国防論」について、思うところを書き連ねているところですが、今回は、自衛隊は軍隊なのかどうかについて、言及していこうと思います。

日本国憲法第9条第2項の規定に、日本は「陸海空軍その他の戦力を保有しない」との一文があります。この規定により、国内法上は、日本は軍隊を保有することはできません。しかし、これまで、述べてきたような、国際関係の状況や、歴史的経緯の中で、日本の国防を、軍隊なしで、どのように全うしていけば、良いのでしょうか。それが、日米安全保障体制に他なりません。

日本には自衛隊があります。いわゆる「再軍備」を始めたということが、戦後政治史上、言われるのですが、何か違和感(いわかん)を覚えますね。自衛隊が軍隊なら、明らかに憲法違反の存在になります。そんなことになったら、日本人の憲法についての規範意識が、全く、無くなってしまいます。

それで、当初は、旧日米安保条約の時は、日本の国防は、全面的に米国に委ねていました。国内で、朝鮮戦争を契機にして警察予備隊を発足させましたが、あくまでも、警察の補完組織でした。それが、保安隊になり自衛隊になっていった。

これを称(しょう)して「再軍備」が始まったと言うのですが、政治史上、そういう表現がなされていますが、それなら、自衛隊は、憲法違反ではないですか。では、自衛隊は何かというと、端的に申し上げれば、国の「行政機関」の一つで、国防を担当する「実力組織」ということです。「戦力」でもあってはなりません。自衛権を発動するに当たっての「自衛力」なのです。

もっとも、自衛隊は、国際法上は、軍隊として扱われます。国際人道法なでの「戦争法規」の規制を受けます。しかし、国内法上は、「軍隊」ではないのです。私も、定年退職するまで、防衛省職員であり自衛隊員でありましたが、職員・隊員は「服務の本旨」という文書を常に携行していました。そこには、「自衛隊員は憲法及び法令を遵守し」と言う一文があります。つまり、当然のことながら、自衛隊は合憲の組織体であるという意識でおりました。

そして、これは、建前論ではなく、自衛隊は、合憲の範囲内におさまるべく、法的な位置づけ、組織・態勢、行動、人事、予算、装備などにおいて合憲であるべく、形成された組織体なのです。

そこには、戦後の先人たちの多大な苦労、苦心、努力があったのです。自衛隊は「軍隊」や「戦力」ではない。しかし、国として「国防」の任務は果たしていかなければならない。その矛盾的な葛藤(かっとう)の中で、戦後の「国防力」の創設、維持、強化を図ってきたのです。きちんとした法理論上の検討をして、きちんと国会や論壇などでの議論をして、そして選挙などを通じて国民に信を問い、そういうプロセスをきんと踏んできたのです。それが、いつの頃からか。何の議論が行われているかも、はっきりしないままに、説明も十分せず、政府の「一方的な」決定の下で、なし崩し的に「軍事的強化」がなされている。そういうことに、危惧(きぐ)を覚える最近の政治情勢、行政状況です。私(代表取締役)の基本的立場は、「国防力」強化に賛成です。しかし、ここ最近の政治、行政上の動向には違和感(いわかん)を覚えます。明らかに、政治上のプロセスの正当性に欠けています。この話、次回にも続けていきます。

----------------------------------------------------------------------

バーチュー・クリエイティング株式会社

住所:東京都渋谷区恵比寿1丁目19-19 恵比寿ビジネスタワー10F

電話番号:03-5708-5985

----------------------------------------------------------------------