おはようございます。
今回は、日本の防衛の将来像を考えるに当たっての、一つのシミュレーションをしてみましょう。
日本が現在の日米安保体制をやめて、採る方法としては、①自主防衛、②武装中立、③非武装、④日米同盟の根本的強化、などが想定されます。
先ず①「自主防衛」について、述べます。
日本が自主防衛するとしたら、何が必要か。第1に、憲法第9条を改正して、侵略戦争の放棄はいいにしても、自衛戦争は是認し、戦力の保有を認め、軍隊を持ち、交戦権も承認しなければなりません。第2に、現在の自衛隊は改組し、それを母体にして、日本軍を創設しなければなりません。第3に、防衛費ならぬ軍事費は、現在のGDP比2%の目標値どころか、GNP比5~10%は必要になります。第4に、徴兵制を導入して、一定年齢の日本国民の男女に兵役義務を課さなければなりません。第5に、核兵器の保有が、必要です。これだけの、軍事的な整備が必須の条件です。日本を米国の「属国」呼ばわりして、日本の「独立」を唱えている人達は、これだけの覚悟がありますか。これらの条件が整えば、つまり自主防衛するなら、いいのですが。
戦後の日米安保体制を形成しているのは、前のブログで紹介しましたように、「吉田路線」です。できるだけ、「軽武装」で、先ずは、日本の経済力の再建に全力を注ぐ。これも引用しましたが、戦争で負けても、外交で勝つ。当時の吉田茂首相は講和独立の際、ただ一人だけで、旧日米安保条約に署名しました。歴史の審判を、ただ一人で負う覚悟だったのでしょう。それだけの胆力(たんりょく)を持って、政治の任に当たっていたのが、本当の意味での政治家なのです。
吉田路線は、戦後日本の歩みを見てもわかるように、見事に功を奏(そう)しました。廃墟(はいきょ)と化した日本が、ともかくも、世界第2の超経済大国にまで成長した。バブル経済崩壊後の「失われた30年」で、現在は苦吟(くぎん)している日本で、中国やドイツに追い抜かれ第4位に落ちましたが、それでも、まだ経済大国の一員です。日本の防衛力の強化や、一層の軍事的な貢献を求められても。憲法を盾(たて)にして、拒み続けられてきました。さすがに、米国も、自分達が占領期に作った憲法を、理由にされたら、そう強いことは言えない。
かって、大平正芳首相は、言いました。現在の、日本国には3つの国民的な合意がある。①議会制民主主義、②市場経済、③日米安保体制、です。大平首相は、初めて日米関係を「同盟」という表現で、打ち出された政治家です。次の鈴木善幸首相は、日米同盟に軍事的側面があることを不明確にして混乱しましたが、その次の中曽根康弘首相は、日米首脳会談に際じてのインタビューで「不沈空母」発言を意図的に行い、米国大統領との「ロンヤス」関係の親密さをアピールして、日米同盟路線を確立させました。
日米同盟には、メリットもデメリットもあります。ベネフィットもコストもあります。何事も、両面があるのが世の中です。しかし、日米同盟路線は「右翼」ではありません。むしろ「中道」路線なのです。自主防衛が「右翼」でしょう。自主防衛を唱えるだけなら簡単です。しかし、今回のブログの冒頭に記しました措置が必要になります。その覚悟がありますか。
現在、防衛費のGDP比2%アップの問題だけで右往左往(うおうさおう)している日本が、5~10%の国防費の負担に耐えられますか。社会保障費も削減されますよ。お金の問題だけで言っているのではないのです。それだけの支出をするだけの、覚悟が問われているのです。日米同盟は、日本の防衛にとって、非常に「コスパ」のいい、選択なのです。ただ、「日本は、米国の言いなりだ、けしからん」と唱えているだけでは、一方的な議論です。ベネフィットとコストを、良く、比較考量して、日本の行く道を考えなければなりません。その上で、「自主防衛」を唱えるなら、私も異を唱(とな)えません。
ただ、全国民が、いつでも、国のために「死ねる」だけの覚悟がありますか。世論調査の結果ですと、「日本の防衛のために武器を持っても戦うか」の問に賛成しているのは、わずか、10数%と言う現実です。「自主防衛」をする気構えがあるとは、現状、とても私には思えません。
自主防衛論についての話は、ここまでにおいておいて、次回に繋(つな)げます。
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