2024年上半期セミナーの総括(その9)

query_builder 2024/06/07

おはようございます。

今回は、ここ短中期の日本の安全保障政策の目標とするところの話をします。

結論から言えば、このインド太平洋地域での武力紛争の生起を阻止することにあります。

日本周辺で言えば、北東アジアにおける、台湾有事、朝鮮半島有事、尖閣諸島有事の、また、南シナ海における軍事衝突の防止です。

具体的には、急速に経済力、軍事力を拡大している中国が、武力紛争を仕掛けてくることを「抑止」することです。そのための、日本自身の防衛努力の強化、軍事・経済面での国際協力の推進、それらを背景とした外交の展開でなければいけません。

私(代表取締役)は、中国を「敵視」しているわけでは、ありません。ただ、「脅威」ではあると思います。「力」を背景として、周辺地域に、軍事的圧力をかけたり、強硬な外交姿勢をとるなどの「鞭(むち)」の部分と、経済協力、支援をちらつかせた「飴(あめ)」の部分の組み合わせで。この地域のみならず、世界の「覇権」を握ろうとしていることは明確です。

何も、中国が、国力をつけて、自国の世界における立場を強化することは、国家として、当然でしょう。ただ、中国は、「力」を背景にして、「ごり押し」してきます。それに対して、中国の「脅威」を受けている国々は、「力による現状の一方的変更」はしないで下さいと言っているのです。

中国の「平和的台頭」は、どの国も妨害するものでは、ありません。ただ、現実の中国の動きは、「武力による威嚇」が目立ちすぎますね。そのことが、世界の中国に対する「警戒感」を、ますます助長しています。「法の支配」や、「基本的人権の尊重」、「航行の自由」や何やらかんやらの、基本的な価値観が全く異なります。

今、世界は、「自由民主主義陣営」と「権威主義国家」とが、対峙しています。後者は、いわゆる「独裁体制」の国ですね。権力者の意向次第で、国際法も無視して、やりたい放題の感がありますね。

それに対抗して、このインド太平洋地域においても、自由民主主義諸国は連携関係を強めている。日本の、近年の防衛努力の強化、国際的な軍事協力の推進もこの一環です。日本の安全保障については、「拡大抑止」の下の米国の「核の傘」と、在日米軍と自衛隊で、確保すればいいとしても、周辺地域で、具体的には、台湾、朝鮮半島、南シナ海で、武力紛争が起きれば、日本も「対岸視(たいがんし)」して「無関係」でいれなくなります。そこで、中国に対して、「自由民主主義諸国」は一致団結して協力し、「武力紛争」の生起を「抑止」しなければいけない。そのためには、「抑止」が敗れたら「対処」をする態勢を造らなければならない。いわば、「第三次世界大戦」も辞さない覚悟でいなければならない、と思います。

現行の憲法の範囲内でも、できることは、まだまだ、多々あります。「平和国家」日本の「看板(かんばん)」を下ろすことは、ありません。ただ、米国を中心とする「自由民主主義諸国」と連携を深めるとともに、自国の防衛能力を高めていけばいいのです。

では、長期の観点からは、どうするかは、次回にします。

----------------------------------------------------------------------

バーチュー・クリエイティング株式会社

住所:東京都渋谷区恵比寿1丁目19-19 恵比寿ビジネスタワー10F

電話番号:03-5708-5985

----------------------------------------------------------------------