最近の政治の動きを考える(その3)

query_builder 2024/07/08

こんにちは。

前回は、岸田文雄政権の政策決定過程の構造上の問題点について、お話し申し上げました。

今回からは、個別の政策についての話をしましょう。まず、外交政策についてです。

岸田首相は、安倍内閣の時、長く、外務大臣の職を務めておられたこともあり、外交は、土地勘(とちかん)のあるところで、大過(たいか)なくこなしておられると思います。

現下の国際社会の最重要課題である、ロシアとウクライナの間の武力紛争の問題については、G7の枠組みの中で、一貫として、ウクライナ支援の立場に立ち、ウクライナ支持を続けています。日本ができる支援については、具体的には、各種の資金の供出はもちろんですが、軍事的な分野については、日本の立場から、殺傷性の低い装備品の提供などはしています。

ウクライナ支援をしている関係で、ロシアとの関係が冷却化していることは致し方ないでしょう。安倍晋三政権の時に、安倍首相の肝いりで、プーチン大統領との関係を強化し、あわよくば北方領土の返還を一部でも実現したいとの動きはありました。しかし、これは、本当に、返還が実現できるとは、考えていなかったでしょう。ロシアにとっては、北方領土は、第2次世界大戦の戦勝の結果、勝ち取った領土であり、返還をするつもりは元来無く、実利として経済的支援を受けることができれば良いとのニュアンスでしょう。しかし、それで、安倍政権の対ロ外交を批判するのは、筋違いというものでしょう。重要な隣国であるロシアとの関係を、強化しておくことは、日本の戦略的な立場を強めます。ロシアも日本の友好国であることは、重要なことでした。現在は、ウクライナ戦争の先行きが見通せない中、ロシア制裁の陣営の一員ですので、ロシアとの関係は、動きようがありません。

そのロシアは、今、中国に急接近をしています。また、北朝鮮とも軍事的関係を深めています。国際的な孤立状態にあるロシアにといっては、米国と対峙する存在である中国などとの関係強化が不可欠なのです。中国にとっても、自らの陣営が強化されるのは好ましいでしょう。ますます、北東アジアにおいても、結びつきが強くなるとともに、ある意味で、ロシアが中国の勢力圏の一部になるかもしれません、上海協力機構にしても、中央アジアの国々は中国に靡(なび)いていますし、将来的な方向はそういうことでしょう。そういう方向で、中国の存在が、強化されていく中で、日本は中国との関係をどうしていくべきでしょうか。

習近平国家主席の権力が、一掃強化されている中、中国は国内の引き締め姿勢を強めています。中国が、「核心的利益」と称する分野については、ますます強硬姿勢を強めるでしょう。目下の最大関心事は、台湾との関係です。経済発展を遂げ、軍事力を飛躍的に強化している中国にとって、周政権のレガシーとして、台湾の武力統一の誘惑に駆(か)られることは、容易に想像されます。鍵は、米国がどう出るかですが、おそらくは、ウクライナ戦争とは違って、直接介入につながることになります。米国が、アジア地域から撤退することに決定すればともかく、そういうことはないでしょうから、重要な「第一列島線」の一角である、台湾をみすみすと放棄することは考えがたいです。すると、米中の直接の軍事的な衝突になります。

そうすると、日本も、台湾戦争を対岸視(たいがんし)していることは、不可能です。在日米軍も台湾防衛に動くでしょうし、自衛隊も、各種の法的根拠に基づいて、直接介入することはなくても、少なくとも米軍への支援はしなければいけない。そういう中で、日本自体も軍事的攻撃を受けることがありえます。そういった自体には、中俱と連携する北朝鮮が朝鮮半島で不穏な動きをするかもしれない。最近、一層、中国との関係を深めているロシアが、対日攻撃の動きで、牽制してくるかもしれません。

そうすると、北東アジアで大戦争が起こる事態になります。ウクライナ戦争や、中東の紛争なども鑑(かんが)みると、まさしく、米国と中国の「覇権国」争いの最大局面で第3次世界大戦の勃発(ぼっぱつ)になるかもしれません。すると、日本にとっては、どうすればいいのか。ともかく、中国が台湾を「武力」で統一することに駆られないように「対中抑止」を働かせなければいけません。外交はもちろんのことですが、日本の防衛力の強化を図るとともに、「台湾防衛」に参加することがあり得ることを、表明しておくことも必要です。また、「インド太平洋地域」の諸国との連携強化を強め、プラスして、欧州諸国との軍事面を含めた関係をより進め、中国に「武力」で台湾を統一することの「リスク」が非常に大きいことを認識してもらわなければならない。私(代表取締役)の言っている「対中抑止」とはこのことです。「抑止」が破れれば、いつでも「対処」するということを、対中姿勢の上でも、また、能力の面でも、みせなければならない。中国が、「平和的」に台湾との統一を図るのであれば、日本としては、何も口を挟(はさ)むことはありません。中国民族どうしで、結論を出せばいいだけの話です。

これらの話、次回に続けます。

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