おはようございます。
今回は、先日来の防衛省における大量の処分の状況について言及します。
概要は、一連の報道でご存じだと思いますが、①特定防衛秘密を取り扱い資格のない者に取り扱わせて居たこと、②潜水艦手当の不正受給、④部隊での喫食を対価なしにしていたこと、⑤パワハラ事案、などで、200数十名の者が処分を受けたというものです。その範囲は、トップクラスに及び、海上幕僚長の事実上の更迭(こうてつ)、事務次官や統合幕僚長なども「訓戒(くんかい)」処分、その他の者は、事案の程度に応じて免職を含む処分を受けたというものです。
ここ数年の防衛省自衛隊については、元女性自衛官の性被害問題の告発、陸上自衛隊の幹部を乗せたヘリの墜落、射撃訓練場における銃の乱射事件、訓練中のヘリコプターの接触事故による墜落、自衛隊OBに対する特定防衛秘密の漏洩、各種ハラスメントなどへの処分などの、不祥事事案が多発していました。
今回の事案については、岸田文雄首相も重大事案と受け止め、国民の信頼を回復するように努めると表明し、防衛大臣は1ヶ月分の給料の返納ですが、続投させる方向です。
折しも、防衛費のGDP2%までの増額方針が示されている中で、いわゆる「防衛増税」も取り沙汰されてるなかで、正式に発表された今回の処分の案件、どう捉えるべきでしょうか。
先ずは、事案が隠蔽されることなく、公表され、かなり厳格な処分が下されたことには安堵(あんど)の念を覚えます。未だ、防衛省自衛隊内における「自浄作用」には期待が持てるでしょう。自衛隊は国内法的には軍隊ではなく、軍法会議もないところで、特別職国家公務員として、「行政処分」を下すしかないわけですが、最高幹部を含めてこれだけの大量処分を行ったことには、インパクトがあるでしょう。
次に、数々の最近、特に目立つ不祥事案は、防衛省自衛隊内における規律の「弛緩(しかん)」によるものだとも思われます。「一罰百戒(いちばつひゃっかい)」とまでは申し上げませんが、このことを契機として、内部規律の引き締めを図って欲しいものです。
さらに、今後の防衛費増額の方針への影響ですが、防衛力強化の方針には、私(代表取締役)も賛成なのですが、今回の事案などを受けて、防衛省自衛隊に対する世間の風当たりは強くなると思います。国民の信頼回復を図るために、一層の努力を図らなければなりません、「なあなあ」で済ませられる問題ではありません、国会などで、それこそ野党は、いわゆる「揚げ足取り」ではなくて、本質を見据えた追求をしなければなりません。マスコミなどの報道機関も。この度の一過性の問題と捉えるのではなく、防衛省自衛隊の「構造的問題」と捉え、必要な事項は報道すべきです。
これだけ、事件・事故が多発していることは、ある意味で、ゆゆしい事態です。何度も、このブログなどでも言及させていただいているところですが、自衛隊の国内法上の位置づけが、「軍隊」ではありえず、国防の任務を担当する国の「行政機関」の一つであるとしか言えないことに、本質的な問題が内包されているのです。言葉は良くないかもそれませんが、自衛隊は、一種の「奇形」な存在として存続していることに、問題が数多くあるのです。だから、自衛隊は、国防の任務を担当する「特殊部隊」と割り切って考えてしまえば、まだ、いいのですが、世間では、憲法の改正には反対であるのにも関わらず、自衛隊を「軍隊」としての役割を果たさせようとする向きがあります。そのような、「いびつ」な環境下で、自衛隊の規律が「弛緩」してもしょうがないでしょう。
憲法上、「軍隊」は保有しないと明言していながら、自衛隊に「軍隊」としての役割を求める、という「無茶苦茶」なことをすることにこそ、問題の本質があるのです。ですから、憲法改正に反対なら反対で構いませんが、自衛隊に、過度な負荷(ふか)をかけることは、謹(つつし)んでいただきたい。日米安保体制の下で、自衛隊は、自衛隊のままでも、日本の国防は、保たれているのですから、その点は問題ないのです。
という認識を、先日来の報道を垣間見て、覚えた次第です。
バーチュー・クリエイティング株式会社
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