最近の政治の動きについて考える(その十九)

query_builder 2024/07/25

こんばんは。

今回は、「北東アジア情勢」について、言及します。

近々に起こるかもしれない北東アジア地域の紛争は、「台湾有事」です。

中国は、2027年頃、台湾への軍事的な侵攻能力を有するとの見込みは、以前から米軍高官の米国議会の公聴会での発現にあります。

中国の「核心的利益」として、筆頭(ひっとう)に上げられるのは、「台湾の統一」です。「一つの中国」としての、旗印(はたじるし)は、実は、中国も台湾も降ろしてはおりません。現実は,「2国家」みたいなものですが、それも、米国が台湾との関係を維持していればこその話です。米国が、台湾から退けば、即座に中国は台湾統一に動くでしょう。ただし、米国にしても、アジアから撤退するならともかく、「第一列島線」の重要な地政学的位置にある台湾が、中国の領土となることは、先ず、是認しないでしょう。

台湾有事が起これば、米軍の介入は、ほぼ確実でしょう。すると、中国は、米軍の力を削(そ)ぐために、多方面の戦闘拡大を企図(きと)してきます。朝鮮半島における北朝鮮の韓国、日本への攻撃、ロシアの介入として日本への武力攻撃、尖閣諸島への攻勢、南シナ海での軍事的衝突、等が、同時多発的に起こるでしょう。米軍と中国軍の全面衝突となれば、かなりの大戦争になります。米国と中国の双方にとって、「第3次世界大戦」の幕明(まくわ)けとなります。

日本は、米国の同盟国として動きますから、自衛隊の戦闘行為への参加みならず、日本に対する武力攻撃、例えば、ミサイルを撃ち込んでくることがあるのは確実でしょう。国民も多大な被害を被(こうむ)ることは必至(ひっし)です。

中国が、このような大戦争を仕掛けてくるのは、習近平氏以下の中国指導部の意思決定次第です。習近平氏1強の中国にとっては、習近平氏の意向次第でしょう。何をきっかけにするかは、台湾が独立宣言をすることが、第1です。現状の維持の路線から、踏み出すと、大きな「犠牲」を強(し)いられます。

第2は,米国が、誤ったメッセージを、発しないことです。現在の米国政府は、いわゆるワンチャイナを認め、台湾に対しては独立宣言をしないことを求めるとともに、中国に対しては、「力による一方的な現状変更」はしないように働きかけています。要するに、武力侵攻はしないようにというメッセージですね。俗に「あいまい戦略」と呼ばれますが、この方針が基盤です。この線を踏み出さないことです。

第3に、何度も私(代表取締役)は強調しているのですが、中国を「敵視」するのではなくて、「対中抑止」を効かせる努力を、米国とその同盟国はすることです。米国は、台湾防衛にコミットメントするという意思の表明を明確に示すとともに、日本などの防衛努力の強化を図り、欧州を含めた防衛協力、例えば,軍事演習などの実施や、例えば、日本は、多数の国と防衛協力、「円滑化協定」の締結、2+2の閣僚会合の実施を通じて、動く、というような努力が必要です。

そうして、「対中抑止」を図り、中国に台湾侵攻を決断させないことにより、時間の経過を待ちます。強調したいのは、反対しているのは、「力による現状の一歩的変更」であり、何も、中国と台湾が、平和的に統一するのは、「両国」の意思次第で、「両国」以外が、妨げようとするものでは、ないことです。それには、長い時間の経過と、国際環境の変化が必要になります。

私の構想としては、2つあり、「抑止」が敗れれば、本当に「対処」するという覚悟と決意を持つとともに、それにプラスして、北東アジア地域の国際環境を一変させるビジョンを持つことです。私は,北東アジア地域、東南アジア地域、広くはインド太平洋地域に、「集団安全保障」機構の枠組みを作ることを、将来的には検討、実行してはどうかと思っています。中国にとっては、「核心的利益」さえ守れればいい。北朝鮮にとっては、自国の安全と独立が保障されればいい。ロシアにとっては、ウクライナ戦争に起因する「国際的孤立」が解消されれないい。そういったところが、本音だと思います。政治的、軍事的に、「対立」するのではなく、そういった本音の部分を、認めればいいという、国際環境になればいいと,思います。一体、何のために、対立する必要があるのか、現状の国際環境下では考えられないかもしれませんが、そういうことを考える必要があります。

今は、米国、韓国、日本も「抑止」と「対処」の路線でいくことでいいでしょう。

ただし、そう遠くない将来において、前述した、この地域における「集団安全保障」の枠組みつくりを行うこと、くらいのビジョンを、「政治」は持つべきです。

かつての「米ソ冷戦」も、解消されました。「9.11」米国同時多発テロに起因する「対テロ戦争」の時代も、紛争が、この地域では下火です。そういう中で、現状に対応することはもちろんのこととして、将来の大構想を考えて、北東アジア地域における大戦争の勃発(ぼっぱつ)を「抑止」して、実行することも、「政治」には、行ってもらいたいものです。

「政治」や「外交」には「軍事」の裏付けが不可欠です。戦後日本は、そういうことを「拒絶」してきましたが、現状の国際政治の「黒船対抗」である「ウクライナ戦争」を機にして、方向の転換が求められています。「武」とは「戈(ほこ)」を「止」めると書きます。それには、「抑止」と「対処」という組み合わせが不可欠です。「戦争」を起こさないためには、「戦争」を辞さないという、強い意志が不可欠なのです。それがあってこそ「平和」が保たれるものなのです。

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