現代の日本社会における「ヤクザ」論⑨

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おはようございます。

今回は、「ヤクザさん」に学ぶ人間学を、お伝えします。

前回まで、現代社会におけるリアルな姿をお伝えしてきましたが、「ヤクザさん」の社会と、「しろうとさん」の社会には、多くの共通点もあり、参考にし、学ぶべきものがあります。もちろん、非合法活動は奨励(しょうれい)しませんが、何か、同じ日本社会に生きる者としての、共感するところがあります。ランダムに挙げていこうと思います。

これは、これまでも述べてきたところですが、日本人はどの分野でも「○○道」として、その生き方、やり方を規範化するところがあります。日本のヤクザさんの場合は、「任侠道」になります。「強きを挫(くじ)き、弱きを助ける」ということにも象徴されるような精神的な部分や、「我慢」、「忍耐」の姿勢、などでしょうか。「義侠心(ぎきょうしん)」も大事ですね。これらは、一般社会で生きていく上にも重要ですね。

ヤクザさんの社会は、「擬似家族関係」です。一般家庭も、親子、兄弟姉妹などの、家族関係で成り立っていますが、それに似たような、関係です、「道の親」としての「親分」と「子分」の関係、兄弟姉妹のような「舎弟(しゃてい)」の存在、などがあり、「組」が、一つの大きな共同体のような集団になります。

また、ヤクザさんは、遊んでいるとのイメージを持っている方もいるかもしれませんが、ヤクザさんは、よく仕事をしています。それを、ヤクザさんの社会では、「しのぎ」と言います。何遍も言っていますが、ヤクザさんは、非合法活動もしますが、それは警察が取り締まればいいことです。ヤクザさんの大親分の一人は、「組員にあこぎなことはさせないという」ことを信条にしておられました。また、ヤクザさんの大親分の一人は、「これからのヤクザは生業を持たなければあかん」と言われ、各種の非合法ではない仕事(活動)をすることを奨励し、実行されていました。

さらに、ヤクザさんは、遊んでいるとのイメージがあると申し上げましたが、多くのヤクザさんも、「結婚」しています。家庭では、夫であり、妻であり、親でもあります。それは、一般社会と、あまり変わりません。やくざさんで、「愛人」のいる人も多いかもしれませんが、それは、私のブログで度々、言及しているとおり、「しろうとさん」の社会でも「不倫」が多いのと同様のことでしょう。似たようなものです。

ヤクザさんの社会には、独特の流儀(りゅうぎ)もあります。「下手(へた)を売った」、つまり大きな失敗をしたときには、「エンコ詰め」と言われる「指詰め」があります。また、ヤクザさんの流儀に大きく外れたときのは、「破門(はもん)」や「絶縁(ぜつえん)」などの処分が下されます。こうなると、今後、ヤクザさんの社会で生きていくことは不可能に近くなります。これらは、一般の、サラリーマンの社会でも同様です。何かあると、懲戒処分を下されますし、場合によっては免職になります。

流儀と言えば、「刺青(いれずみ)」もそうです。ヤクザさんであることの表明ともいいますか、宣言みたいなものですね。この頃は、一般の人でも、ファッション感覚で、入れ墨を入れている人も多いですが、やはり、入れ隅と言えば、ヤクザさんの印象があります。しかし、ヤクザさんの大親分の一人は、入れ墨を入れていなかったとも聞きますが、今後は、どうなるんでしょうか。

それと、ヤクザさんは、遊んでいるとのイメージを持っている人が多いと言いましたが、ヤクザさんは、一般人以上に「勉強」しています。あるヤクザさんに大親分の一人は、法律書が愛読書だったそうです。また、ヤクザサンは、違法行為をして、刑務所に収監(しゅうかん)されている時は、刑務作業の時間と運動の時間以外は、他にすることがないので、「本」ばかり読んでいるそうです。それこそ、どんなジャンルでも、右翼ぽいものから、マルクスの『資本論』に至るまで読破(どくは)しているとか。ヤクザさんにとっては、「刑務所が大学」とは、よく言われるところです。

刑務所と言えば、ヤクザサンの大親分の一人は、収監されているとき、「模範囚」だったょうです。刑期の短縮を勧められたときも、断って、刑期満了まで、「おつとめ」したとか。ヤクザサンは、非合法活動もしますが、日本の「法による支配」を否定していません。違法行為をして、裁判の結果、収監されることになっても、「大人しく」収監されます。これは、現体制の転覆をはかる左翼の過激な活動家とは違うところです。それは、右翼っぽいヤクザさんとの違いでしょうが、言いたいのは、ヤクザさんも、日本の「法」は是認しているということです。でなければ、司法の判断に従わず、「潜る」、身元を隠して「潜伏」するでしょう。

また、刑務所と言えば、刑期に服して服役後は、「ムショ帰り」と言って、一種の「勲章」をもらったような扱いを、「組」から受けます。「組」のために、「体を張った」ということでしょうか。その後の処遇もよくなります。一般の社会でも同様でしょう。所属している会社などのために、貢献した人は、一定程度以上の処遇を受けます。

さらに、組同士の「抗争」事件というのも、よく。起こります。時には、お薦めをしませんが、殺人事件といのもあります。私は、ダンプカーで突っ込むか、建物への発砲の威嚇(いかく)程度に止めておいた方がいいと思います。これは、殺人事件になると、最近の司法判断が厳しく、かなり長い「懲役(ちょうえき)」を「食らう」ことになるからです。とても、元がとれません。それはともかく、一般社会でも、国家同士での武力紛争、いわゆる「戦争」があります。これは、組同士での抗争のようなものです。戦争は、今も、世界各地で起きています。いつまでも続く、人間の「宿痾(しゅくあ)のようなものでしょうか。まだ、ヤクザさんの方が、近年は、できるだけ組同士の抗争を起こさないように、努めている感があります。

あと、ヤクザさんの社会では、「フダ」を入れるということがあります。これは、組の跡目を決める際などに、「投票」で決めるというものです。意味合いが違う点も若干ありますが、一般社会で、議員や首長さんを選ぶ際に、選挙で選ぶのと似ています。より直接的には、政党の党首選びのやり方に似てますね。一つ、ヤクザ

さん流の「民主主義」のようなものでしょう。

これらの点などは、ヤクザさんの社会と、しろうとさんの社会で、相通ずるものが

あるところです。

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