こんばんは。
今回は、自由民主党と立憲民主党の課題について、言及しましょう。
先ず、自民党ですが、いわゆる「55年体制」が成立してからは、もっぱら、政権を握(にぎ)ってきたのは、同党です。すなわち、戦後日本の繁栄も衰退も、政治上の責任をとらなければならいのは、自民党です。行政の実務は、「官僚」と呼ばれる役人がしているにせよ、その役割は、裏方(うらかた)であり、文楽で」言えば、「黒子(くろこ)です。政府に直接、物言うのは、大臣などの政務3役や、与野党の議員です。それが、「間接民主制」を採っている、現在の日本の体制なのです。
今、ITの発達、特にAIの急速な能力向上で、今、人間がしている多くの「仕事」が、人間から「機械」に担(にな)い手が、移り変わると言われています。行政のデジタル化は、デジタル世代に、時代が移り変わった時に定着するでしょう。これ自体は、諸種の生活の面で、助かることが多いので、嘉(よみ)すべきでしょう。非効率な、行政上の作業が簡素・合理化されるのはいいことです。
では、「政治」はどうなるのでしょうか。機械、例えば、ロボットが、政治をする時代がくるのでしょうか。ジョージ・オーウェルが『1984年』で描(えが)いたような、ディストピアな社会になってしまうのでしょうか。
「2045年問題」と言うのが、あります。その頃、AIが人間の知性を超えると言われています。今、AIの機能と役割について、その活用のガイドラインを作成しようという動きがあります。「人間」が人間である限り、「善」もあれば「悪」もあります。完全に、機械に支配されることが、あって良いはずがありません。また、ロボットが、「感情」を持つことも、近未来では、あり得ます。SF映画や小説で、暗示されています。
「政治」が、人間の「営(いとな)み」で無くなる日が、来るのでしょうか。人間が政治を行っている間は、「犯罪」や「戦争」の発生は、避けられません。すると、社会の「運営」を機械に委ねることがいいと、思っている人もいるかもしれません。超高度に管理された社会になることを、目指しているのかもしれません。すると、「人間」の生活は、「無」に等しくなるのかも、しれません。とある映画にも描写(びょうしゃ)されていましたが、「性行為」も「バーチャル」になり、「出産」も人工授精になるかもしれません。
そう言った方向に向かうのか、一方、ドラマ「スタートレック」や映画「スターをーズ」で描かれた、人間と機械が共存する「宇宙時代」が、やがて来るのか、いずれでしょう。完全無欠(かんぜんぶけつ)な人間などいないのですから、超高度に科学技術が発達した「文明社会」を、これから、新たに築きあげることができるのかが、焦点(しょうてん)になります。「人間」は、あくまでも人間で居続けることです。
そこには、古来、続いている、「人間」の社会を、維持していく。そこには、やはり、「犯罪」もあれば「戦争」もある。ただ、その範囲が、遠い未来は、地球を越えて、宇宙に拡大することになります。異星人(いせいじん)との、遭遇(そうぐう)もあるでしょう。
話は伏線(ふくせん)に逸(そ)れましたが、自民党の政治手法は、極めて「マイルド」です。これだけ、長く、政権を担当しながら、これだけ、権力の行使を抑制している政党は、世界でも珍しいです。ただし、その分、政治のリーダーシップに欠ける。日本の「官僚機構」の上に、ふんわりと乗っかっていて、政官業のトライアングルの利害調整に、その力の大部分の力を使い、その利得を得ることを、自己目的としている。ですから、「政治とカネ」のような問題が、大規模化し、スキャンダルになることもある。「腐敗」した政治ですね。
ただ、料理でも、「腐る」前の肉を食べるのが、一番、美味しいということを言う人もいます。「権力的」ではないが「腐敗」した自民党に、政権の座に居続けさせた、戦後の日本国民は、OKを出し続けていたのでしょう。それが、戦後の日本人の気質には、あっていたということでしょう。
「政治」は、一種の「ショー」化され、自民党は、その舞台での「俳優」のようなものでした。文楽での「人形」の役割を、演じ続けてきました。その舞台回しをしてきたのが、「官僚機構」であり、特に、某有力官庁でした。この戦後日本の自民党流の政治に、これからも、OKを出し続けるのか、新たな転換を求めるのか。いわゆる国際政治の「西側諸国」のような「民主主義」でいいのか、某諸国のような「権威主義」体制の国に移行するのがいいのかが、日本の今後の大きな課題です。
某有力官庁の話はともかく、そういう「選択」を日本国民はしなければならないでしょう。
自民党の党首を選ぶ、今度の総裁選ですが、今の候補者の顔ぶれは、従来型の議員さんたちばかりです。各種、世論調査は盛んですが、どなたがなられても、「権力的」でない「腐敗」した自民党であり続けるでしょう。それは「善」でもあり「悪」でもある、戦後日本流の政治の姿だという現実を認識しなければいけません。マックス・ウェーバーは、「事実認識」と「価値判断」を明確に分かたなければならないと、力説(りきせつ)しています。現実を踏まえて、「机上の空論」でない論議をしなければいけません。安岡正篤氏の唱えられていた、政治についての啓蒙活動にある教えに立脚しながら、しょせん「人間」がしている政治ということに達観(たっかん)して、よりベターな政治のあり方を、考えていくべきでしょう。
ベストの努力を積み重ねることは必要ですが、現実の、日本社会に立脚したものでなければいけません。いつかも申し上げましたが、政治のレベルを決めるのは国民のレベルで、それを超えることは、ありません。日本社会が「金権万能」なら、日本政治も「金権万能」です。日本社会が、真の「正義」を求めるなら、日本政治も「正義」に近づきます。「金権」が悪いわけでは、ありません。日々の生活に苦労されている方なら、ご理解いただけるでしょう。また、少なくとも、「権威主義国家」の住民になるより、ましだと思いますが、いかがでしょうか。「自由」だが「腐敗」した社会を選ぶのも、ありだと思います。「司法」が、植木の剪定(せんてい)を健全に、上手にしていれば、大丈夫です。問題は少ないです。
バーチュー・クリエイティング株式会社
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