自由民主党総裁選と立憲民主党代表選について⑩

query_builder 2024/09/20

こんばんは。

今回は、立憲民主党について言及します。

前回、「55年体制」以来、自由民主党を中心とする政権が、殆(ほとん)どだったとお伝えしました。歴代政権の「功(こう)」と「罪(ざい)」があるわけですが、日本人の特性には、自民党の政治手法が、あっていたと言えます。そこには、今も申しましたように、特に、政治とカネをめぐる「腐敗」があったわけですが、国民は、時々、「お灸(きゅう)」を据(す)えますが、寛容(かんよう)でした。これは、自民党に取って代わるような「国民政党」が無かったことによります。

自民党は、「右」から「左」まで、また、「タカ派」から「ハト派」まで包含している政党です。前の中選挙区制の時代から、いわゆる「派閥」ができ、その間で競い合い、総理総裁を輩出(はいじゅつ)するという手法で、いわゆる「擬似(ぎじ)政権交代」をし、政府の「新鮮度」を保ってきたわけです。政権の寿命は、それほど長いわけではありません。俗に、「総理、1から2年の使い捨て」と言われてきました。

しかし、それでも、自民党の国会議員であれば、多くの人が、「総理総裁」の座(ざ)に就きたいわけです。そこで、派閥間の争いが「抗争」になっており、いわゆる「族議員(ぞくぎいん)」の問題と併せて、自民党政治の宿痾(しゅくあ)と言われたものです。

そこで、政治改革の必要性が唱えられ、「小選挙区制」にすることにより、政権を競い合う「二大政党」造りをしようということになりました。大小様々な政権争いを経て、一時は、自民党と競い合う「民主党」という政党ができ、本当に「政権交代」が実現したこともありました。しかし、民主党政権は、政治経験に乏しく、理念が先行しがちで、現実から乖離(かいり)し、政権運営が上手くいかず、1年交代の総理ということになり、ほぼ3年で、政権を投げ出すことになりました。

民主党政権の「挫折」により、また、日本の政界は、1強多弱態勢になり、現在に至っています。

少々の不祥事(ふしょうじ)があっても、それを基に、自民党中心の政権を打ち倒す政党がなく、また、国民にも「トラウマ」があって、やはり、選挙があれば、自民党に投票するという循環(じゅんかん)です。野党の方は、中心軸がなく、これまた離合集散(りごうしゅうさん)を繰り返し、「内ゲバ」をしている。つまり、「野党共闘(やとうきょうとう)」などできない。小選挙区制ですから、「風」が吹けば、結果は、与野党、どちらに転ぶか、分からないのですが、現実が示すように、自民党政権は、起き上がり小法師(こぼしz)のように、倒れません。

立憲民主党の課題は、いかに「政権担当能力」を身につけ、それを国民に理解してもらうことです。何か、近年の国会の議論を垣間(かいま)見ても、政権のスキャンダル追及とか、些末(さまつ)な問題の質疑(しつぎ)ばかりで、真の意味での政府に対する追及を行っていない印象です。

「批判勢力」に止(とど)まるつもりなら、それもいいでしょうが、本当に「政権」を捕る気構えがあるなら、「政権政党」としてのビジョンや政策を示し、政府与党に対峙(たいじ)していかなければならないはずです。政府の政策が、いつも、全て、正しいとは限りません。多くの、「間違い」をしています。その点を追求することは、民間の一部有識者が行っていますが、立憲民主党は、何をしているんでしょうか。いつも、国会会期末になると、形ばかりの「内閣不信任案」の提出と、それをめぐる「騒動」があるだけで、何も変わらないわけです。

今回の代表選の争いは、大体、野田氏と枝野氏の決選投票になりそうですが、立憲民主党は「再生」できるでしょうか。むしろ、自民党以上に、某有力官庁の影響下にあり、そのことの是非はともかく、何も、「政治」が変わっていくという「期待感」が持てないです。野党間も、ばらばらで、とても一つのまとまった勢力になる様子がない。最近の報道を見ていても、衆議院の解散総選挙を、早期には回避しようとしているのは、立憲民主党の方です。新政権の政策を慎重に吟味(ぎんみ)してから選挙、との理由付けをしていますが、自民党の早期解散の反対派よりも頑(かたく)なです。

ともかくも、もっと、真面目に政権を捕りに行く姿勢をみせて欲しいところです。

そのためには、「批判」ばかりをしていても、「民心」は靡(なび)いていきません。自民党政権とは、ここが大きく違う、変わってくるという期待感がないと、誰も支持しないでしょう。特に、本質的なことを、国会などで議論して下さい。

いつも「批判」に終始して、建設的な「提案」がない。永久に「野党」でいるつもりなら、それでいいですが、次の代表には、それからの転換を期待したいですね。

以前のブログで、「政治」を一種の「お祭り」に例えましたが、「政治」は「行政」の実務以上のことが求められます。そういう実務は、「官僚」、「役人」がすることです。議員さんは、「政治家」と呼ばれることが多いのですが、政治家には、「ステーツマン」の要素と「ポリティシアン」の要素の両方が必要です。「政策」にも「政局」にも、強くなければなりません。

国民の信頼を勝ち得るためには、次の代表には、「本気」で、政権を捕りに行く気構えを示し、それに対応した政治行動をとっていただきたいと、強く、願っています。

今回のシリーズも、10回目の節目(ふしめ)を迎えましたので、このテーマは、いったん、締めくくります。23日の代表選、27日の総裁選の、投開票が楽しみですね。

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