こんにちは。
今回は、マスコミに向き合う「姿勢」の話しをします。
今回のシリーズで、私が、マスコミについて述べる意見が厳しすぎるのではないかとの感想を抱(いだ)かれる方もいるかもしれません。
しかし、それは、決して「厳しい」ものではないのです。
マスコミは、現代社会において、立法。行政、司法と並ぶ、「第4の権力」ではないかとの指摘は、前々からあるのです。
イギリスの寓言(ぐうげん)に、「権力は腐敗する。絶対権力は絶対腐敗する」との言葉があります。したがって、「権力」は、「監視」するとともに、権力の「分立」を図り、相互に牽制(けんせい)させなければいけないのです。
マスコミも、その例にもれません。
これも、よく聞かれると思いますが、「Right pen is mighter than sword」ということが言われます。一般に「ペンは剣より強し」と言いますが、それでは、不十分です。「『正しい』ペンは剣より強し」でなければいけません。「正しいペン」(Right pen)ということが大事なのです。
中華人民共和国の創始者の毛沢東党主席は、「政権は銃口(じゅうこう)より生まれる」と言いまいましたが、そういうことも確かにあると思います。ただし、同じ中国の寓言に、「馬上、天下を取るべきも、馬上、天下を治むべからず」と言う言葉があります。長い歴史を見ても、「武力」で政権を取ることができます。しかし、それから、その国を「統治」していくためには、いわゆる「ソフトパワー」が必要なのです。
「天下人」は、本当の意味での「学問」をし、いわゆる「帝王学」を身につけなければいけません。日本でも、徳川幕府の時代が長く続いたのも、初代将軍の徳川家康公が、『貞観政要(じょうがんせいよう)』を始めとする、古来の人間学を修めていたからなのです。もう少し遡(さかのぼ)って、鎌倉幕府を観ても、執権の北条家も同様でした。
「創業」と「守成(しゅせい)」は、どちらが難しいかの議論があります。結論から言えば、どちらも難しいのです。要は、その時々で、やるべきことが違うのです。戦国時代でも、織田信長公が、道を切り開き、豊臣秀吉公が、道を固め、値奥川家康公が、道を守ったのです。
それですから、「権力」というのは、本来、自己抑制を図り、民衆のための「政治」をしなければならないのです。現代でも一緒です。でないと、「権力」の維持継承はできません。現代の民主主義国家においては、「三権の分立」を図り、相互牽制(けんせい)を行うことで、「権力」の抑制を図ります。それに、マスコミも、「報道」という方法で関与しているのです。それが、現代では、「第4の権力化」している。それに対するチェック機能を、働かせなければいけないのです。
今までは、大きな「資本」がなければできなかったことを、現在は、小さな「資本」でできます。インターネット時代の到来です。これを、有効活用すれば、やる気さえあれば、誰でも、できるのです。ここで、問題になってくるのが、今度は、「インターネット」が、「第5の権力」化しないかということです。ネット上の情報は、前にも申し上げましたが、玉石混淆(ぎょくせきこんこう)ですから、その真贋(しんがん)を見極める「力」を持たなければいけません。「偽情報」、「炎上」、が満ちあふれています。
一方で、既存の「権力」による、情報統制もしやすくなっています。高度な管理社会化して、真に自由な「言論活動」もできにくくなっています。
そこで、「正しい」ペンは剣よりも強い、という意識を持って、それぞれが、実行していかなければなりません。もしくは、信頼できる人物を見つけることです。
生前、安岡正篤氏が、国家の柱石(ちゅうせき)となられたのも、その、頭の良さばかりでなく、その人格的な魅力でした。安岡氏に匹敵(ひってき)する影響力を持たれた方も、様々な部門にいます。そういった、信頼できる人物の教えに学ぶことが重要でしょう。
マスコミは、自らの立ち位置をよく考えて、論陣(ろんじん)を張るべきです。「右」でも「左」でも、「タカ派」でも「ハト派」でも、「保守」でも「リベラル」でも構いません。日本国憲法に規定されているように「思想信条の自由」は保障されています。ただし、前回のブログでも述べたような、「ねじ曲がった」言論活動をすることは認められませんし、あえて、本ブログで取り上げることによって、「反面教師」としていただけるようになれば幸いです。
マスコミも、立法、行政、司法と同様に、国民の不断の「チェック」の下に置かなければなりません。そうでなければ、「腐敗」します。「長いものには巻かれろ」ではなく、「義を見てせざるは勇なきなり」の気概(きがい)を持つことが、国民には、求められているのです。ディストピアな社会ではなく、真に「自由」で「民主的」な社会に生きられるかは、国民の一人一人の自身の問題なのです。
バーチュー・クリエイティング株式会社
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