現代の情報化社会におけるジャーナリズム論⑩

query_builder 2024/10/18

おはようございます。

今回で、本シリーズも10回目の節目を迎え、一応のまとめををしたいと思います。

情報を提供していただけるツールは、以前と比べて、非常に多種多様となりました。特に、インターネットの普及・発展は目覚(めざ)ましいです。少し「検索」すれば、容易に数多くの情報を入手できます。忙しい現代人にとって、非常に便利なツールです。ただし、これまでも何回も触(ふ)れてきたように、その情報の質は玉石混淆(ぎょくせきこんこう)です。流れる情報を鵜呑(うの)みにすることなく、その真贋(しんがん)を見極(みきわ)めなければいけません。

既存の情報ツールは、まだまだ健在(けんざい)です、テレビ、ラジオ、新聞、マガジンなどのマスコミは、視聴・購読される方も多く、一定の影響力を持っています。今回のシリーズでこれらのメディアについての、私の意見を開陳(かいちん)させていただきました。中には、「厳しめ」の指摘(してき)もあったかと思います。それは、マスコミが、現代社会における、立法、行政、司法と並ぶ「第4の権力」とも呼ばれる今日の状況の下で、反省自戒(はんせいじかい)を促すためでもあります。

例えば、テレビは、いつかも触れたBPOなどの公的機関のチェックはありますが、その放送内容は、NHK・民法各局の「自主性」に任されています。私は、最近は「ニュース」を中心に視聴していますが、正直言って、「おかしなこと」を言っているなと思うことも、時々はあります。一応の「ファクト・チェック」を踏まえたフィルターはかかっているはずですが、それでも、そのような状態です。テレビは、娯楽番組だけでなく、報道番組、教育関連番組など多くの内容の番組がありますが、依然として、利用されている方の多いメディアです。ぜひとも、反省自戒していただいて、「正しい」放送を行って欲しいものです。私の視聴している報道番組については、ともかくも、事実関係の情報提供をきちんとしていただければ、ほぼ十分です。ニュースを視聴(しちょう)している貴重な時間を、無駄(むだ)には過ごしたくないので、テレビ局には、よろしくお願いしたいところです。

その他の、ラジオ、新聞のメディアについても、その社会的使命の自覚(じかく)に基づいて、各種の報道をしていただきたいです。新聞については、「政治的な立ち位置」がはっきりしていますので、それぞれの読者は、「好み」の新聞を読まれてていいのですが、ネット時代の中で、「紙媒体(かみばいたい)」としての新聞の購読者が減っている今日、その生き残りは、大変だと思います。いわゆる、「クオリティ・ペーパー」を目指した「正しい」報道で、世論形成の一助になっていただければ幸いです。もちろん「イエローペーパー」も、存在意義はあります。娯楽として読めますからね。

週刊誌や各種情報誌のマガジンについては、読者の興味関心を惹(ひ)くために、とかく、センセーショナルになりがちです。有名人のゴシップ記事とか、多いですね。いわば、社会の「裏側」を知る一助となり、その報道に基づいて、それを端緒(たんしょ)として、「不正」が正(ただ)されることも、多々、あります。いわゆる「調査報道」として、情報ネタに基づいた、綿密(めんみつ)な取材を行い、「嘘(うそ)」ではない情報提供をして欲しいです。それであれば、大きな社会的役割を果(は)たされると思います。

現代社会におけるジャーナリズムのあり方は、何度も申し上げますが、インターネットの時代の中で、大きな変化に晒(さら)されています。いわゆる「世論」がどう上手く形成されていくのかは、それぞれのメディアの自主独立的な活動の中で、いわば、「市場経済」に似たような「神の見えざる手」によってなされていくのですが、いわば「ペンの暴力」になることのないように、自戒(じかい)していただきたいものです。それが、現代社会におけるジャーナリズムの課題だと思われます。とかく、本シリーズで、「厳しい」ことを指摘させていただいたかもしれませんが、情報の収集、分析とその判断に関して大きな影響力を持つメディアに対する警鐘(けいしょう)として申し上げました。より良い、ジャーナリズム精神を発揮して、社会的な役割を果たしていっていただければと思います。

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